将来の選択肢のこと
不登校の状態にある本人やその親が心配し悩んでいるのが、
「苦しい今の状態」と
「将来のこと」だと思います。
「将来のこと」に関しては、具体的には将来”友人や家族を持つなど社会的な生活を送れるのか”という不安と、より現実的に”経済的に自立できるか”という二つがあるんじゃないかと思います。
どちらのほうがより比重が大きいのかというと、もしかしたら今よりも将来を悲観して気持ちを落ち込ませる人のほうが多いのではないでしょうか...?
「学校に行かない」=「まともな人生は終わり」
ではまったくないです!と、私は言いたいです。
ただ、あえて「まともな」とつけてみたのが、昔の私や親にとってのベストな人生が『小・中・高と充実した学校生活を送り、そこで質の良い友達をたくさん作り、良い大学に行って稼ぎが良く体裁も良い仕事に就く』というようなものだったため。
でもね、いま苦しんでいる本人に伝えたいのは、いままでに起こったことすべて、抱えたままでも生きていけます。
小学校・中学校をどれほど休もうと、地元に友達が一人もいなかろうと、
自分の心の中で感じているほど世間では重要なことではありません。
ひけめに感じていることなんて、自分のとらえ方次第で他人には案外全然わからないものなんです!だから、いつからでも何度でもやり直しができます。
中学に行けていない人は、自分が行けそうな環境の高校を探してみればいい。
それは学力の問題だけでなく、例えば地元の人に会いたくなければなるべく遠いところに通うとかね。
私は高校入学のタイミングで社会復帰できたのですが、知り合いが多い地元は出歩くのすら嫌だったので、電車で30分くらいの町の学校にしました。
中学校まるまる行っていなかったので勉強は遅れており、入れる学校の選択肢も限られていたのですが、あまり頭の良くない学校にいる荒れてる男子が怖かったので、学力レベルは同じでも女子高にしました。
本当は海外に移住したいなと思っていましたが、それはさせてもらえなかったので、
それ以外でそのときあった選択肢の中でできる最良のことをしました。
そして、生活する中で不安な気持ちを引き起こしそうなことは徹底的に排除して、「ダメだったら辞めればいいや」
という気持ちでリラックスして望むこと。
私の場合、この姿勢がそれからの人生をいつも次のステージに押し上げてくれました。
高校受験が失敗したら失敗したでまた家にいながら別のやりたいこと探せばいいし、
受かってからも途中でまた死にたくなるほどしんどくなったらいつでもやめようと思ってました!
結果として、それくらいの気持ちで一日一日「もうちょっとだけ頑張ってみようかな(でもほんとに無理ならここまで頑張ったけどいつでも手放してもいいぞ)」と過ごすうち、
気づけば2年生からはほぼ皆勤賞で、最終的に学年一位の成績で卒業し(体育と家庭科以外)、MARCHクラスの大学に合格できました。嘘みたいですけど、本当の話です。
そして、だからと言ってその後の私の人生が幸せなサクセスストーリーになったわけでもありません(笑)
どんなに努力しても、次のステージが良いものである保証なんてない。でも、それでもよし。
いくらでも道はあるし、自分でそのことを知っているのが一番大事なんだと思います。
この思想と経験、その後の人生で本当に支えになっています。
逆に、最初に挙げたような『小中高と順調な人生』に価値観を置こうとすると、すぐ病みます。
ちなみに私の親は、私が大学に入学した時点で子どもが「まとも」な人生に戻れたと思ったらしく、もはや不登校で苦しんだことは過去のことだと認識しているみたいです。
でも、率直に言うと本人にとっては過去にはなりません。ずっと人生の一部であり、抱えていくものです。
だけど、もし今将来のことを心配しているのなら、今心配しているほとんどのことが将来現実になってもなんてことはない!と伝えたい。
だって、今の価値観で生きていけなくとも、世の中には本当にたくさんの人がいて、場所があって、考え方があるんです。
順風満帆だったのに大人になってから大きくつまづく人もいる。それで、それまでの人生からすべて変わってしまう人もいるでしょう。
親御さんにとってはまさに子どもの不登校が青天の霹靂な大きな出来事かもしれません。
でも、悪いことが現実になったからといって、人生は終わりません。
今日も苦しんで、何もできず終わってしまった。
そう考えている人がいたら、この記事を読んだことで何かしらを感じて、心が動いた。
それでけでも良しと考えてみてください!
このブログに限らず、なんでも、自分で行動したことはすべて小さな小さなきっかけに出来ます。
昨日までの自分を苦しめる考え方からは距離をとって!それはもう必要ない考え方です。
今の状態から少しでも抜け出すためになるヒントとなる考えを持った人が、世の中にはたくさん待っていますよ!